歯学センターの窓から

「スウェーデンの夏休み 1」歯学センターの窓から no.106

スウェーデンの夏休み 1
 安定しないお天気が続いていますが、皆様のゴールデンウィークは如何でしたか?今日は歯の話ではなく、2回にわたり私が暮らしたスウェーデンの、驚きの夏休みのお話です。スウェーデンではドクターもタクシーの運転手さんも皆、5週間の夏休みをとります。私が師事していたダーリン教授は特別に6週間。そうなると勿論私も6週間です。病院の手術室は完全にクローズ。手術も行われません。「えっ、いいのですか?」と教授に聞くと、待ってましたとばかり過去5年間の患者さんの来院データを持って来ました。「ほら見て御覧。夏休みの間は、患者さんも来ないんだ。みんな夏休みに遊びたいから、病気は冬の間に治しておくのだよ。データがそれを証明しているのだ」と言い張ります。私は半信半疑ながらも、頷くしかありませんでした。
 夏休み中も勿論、教授からの指示が飛びます。「ドクター田北、私が海沿いの別荘を君の為に借りておいたので、5週間そこで過ごしなさい」。費用は言うまでもなく、私持ちです。「えっ!なぜ勝手に?」。またまた疑問でした。しかし教授には逆らえません。しかし私はそこで、とても大切な事を学ぶのです。
つづく

田北行宏