歯学センターの窓から
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「歴史とともに培われてきたインプラント」歯学センターの窓から no.100
不幸にして歯を失った患者さんは、この2つから選択しなくてはなりませんでした。しかし、今は「インプラント」という3つ目の対処法があります。インプラントとは、人工の歯を顎に埋め込む治療法で、人の人工関節や骨折時の治療にも用いられています。インプラントは1952年、ウサギの骨とチタン金属が偶然くっついたことからスウェーデンで研究され、50年前に初めてインプラント手術が行われました。その患者さんは既にお亡くなりになりましたが、最後までインプラント歯で食事をしておられました。
患者さんからよく聞かれるのは、歯の「再生医療」についてですが、歯を作り骨に埋め込んで噛めるには、3年を要します。一方、インプラントは手術後、最短2カ月で噛めるのです。ハーバード大学の教授が「患者さんの健康を考えるとインプラントを選択すべき」と教えてくれたのは、もう20年も前のことです。治療技術はさらに進歩し、私が診療する多くの患者さんが笑顔になってくれています。インプラントは長い歴史に支えられ、これからも沢山の方の助けになることでしょう
田北行宏